黒猫*友愛エトセトラ
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「やっぱり、くろねこはかわいいなぁ。」
なんだかんだで“お供させられた”木村さん家からの帰り道。
歩は、うっとりしたようにため息をもらした。
「ぼくもかいたいなぁ。」
「……かえばいいじゃん。」
狭いマンション暮らしの俺と違って、歩の家は大きな一軒家で。
庭だって広いし、猫の一匹や二匹飼うくらいどうってことないように思えた。
そうすれば、俺が“見たいアニメを我慢して”こんなふうに“強制的に”つき合わされることもなくなるだろうし?
これはいい提案だ、と思ったのも束の間。
「それはむりだよ。」
きっぱりと否定されてしまった。
「なんで?」
「ママが、ダメだっていうんだ。」
「おばちゃんが?」
「うん……」
歩の母親ってのは、それはもう、見た目も中身もアイツにそっくりで…って、今はどうでもいいか。
とにかく、ちょっとお願いすれば、たいてい「いいわよ」って言ってくれる人なんだけど……
「うちには、“とらお”と“うめこ”がいるから」