黒猫*友愛エトセトラ
「ちょっと!」
放課後の校庭にて。
真冬の寒空の下、部活に勤しんでいた俺を呼び止めたのは……
「……またかよ。」
振り返って、後悔。
思いっきり顔を歪める俺のことなどおかまいなしに、そいつはつかつかと近づいてきて、
「あの男はどこっ??」
鬼気迫る形相でつかみかかってきた。
「はっ?」
「だから、アイツよ!あんたのツレの変態男っ」
「…あー」
そりゃ、コイツと俺の接点と言えばそれくらいしかないけどさぁ。
だからって……
「なんで俺に聞くわけ?」
「カバンがないのよっ」
「は?だから、なんで……」
「教室に戻ったら、荷物が全部、キレイに消えてたの。犯人はアイツしかいないでしょう?」
……この女。人の話を聞く気ゼロだろ?
全然、会話が成立してないじゃん。
「で、どこなの?
生徒会室にも職員室にもいないし、ケータイは繋がらないし…どうなってるの?」
……俺に聞くなよ。