黒猫*友愛エトセトラ
たとえば……
あれは、幼稚園の年長さんのとき。
「大きくなったら何になりたいか…みんなの夢を教えてくださーい!」
机の上には、画用紙とクレヨン。
担任のマキコ先生の言葉に、思い思いの“未来”を描き出す園児たち。
スポーツ選手だとか芸能人だとか。
パン屋さんだとかお菓子屋さん…だとか。
子供ならではの絵が出来上がる中……
「あらっ?歩くんは……“おまわりさん”になりたいの?」
歩の絵に、足を止めた先生。
「上手ねぇ。あれ?でも…」
何かに気づいたように、まじまじと見つめる先生に、
「ちがうよ。せんせい。」
歩は、にっこり笑って言った。
「“おまわりさん”じゃなくて、“いぬのおまわりさん”」
「えっ?えーと…それは、なんで…かな?」
「だって、
いぬのおまわりさんのところには、“まいごのこねこさん”がくるんでしょう?」