君と僕の紙ヒコーキ





「…今日のサプライズプレゼント、嬉しかったね。」



そうやって、隣にいる春くんを見上げてみる。

春くんは答えずに、真剣な顔をしていた。




「ねぇ、桜。」

「なに?」



不意に立ち止まる春くん。



「もう一つ、サプライズしてもいい?」

「えっ?」



私が首を傾げると、春くんは鞄から小さな箱を取り出した。



「よかったら貰ってくれないかな。俺からの、誕生日プレゼント。」



開けられた箱に入っていたのは、桜をモチーフにした、ネックレスだった。



「俺、ずっと後悔してた。俺が東京に行って、桜はこの街に残るからって、別れたりして。」

「春くん……」

「我が儘なのはわかってる。でも、やっぱり俺のそばにいてくれませんか?」




< 10 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop