君と僕の紙ヒコーキ
「…今日のサプライズプレゼント、嬉しかったね。」
そうやって、隣にいる春くんを見上げてみる。
春くんは答えずに、真剣な顔をしていた。
「ねぇ、桜。」
「なに?」
不意に立ち止まる春くん。
「もう一つ、サプライズしてもいい?」
「えっ?」
私が首を傾げると、春くんは鞄から小さな箱を取り出した。
「よかったら貰ってくれないかな。俺からの、誕生日プレゼント。」
開けられた箱に入っていたのは、桜をモチーフにした、ネックレスだった。
「俺、ずっと後悔してた。俺が東京に行って、桜はこの街に残るからって、別れたりして。」
「春くん……」
「我が儘なのはわかってる。でも、やっぱり俺のそばにいてくれませんか?」