君と僕の紙ヒコーキ






地味ってなによ、そんなの知ってる。

っていうかただ写真を撮るのが好きなだけなのよ、地味でいいもん。


平凡に過ごしたいことの、何がダメなの。



そんな悪態を心の中で吐きながら、紙を渡そうとしたのに。




「やーだよ、僕は彼女と回る。」

「えっ?」



涼しげな顔をして滝川先輩が言った。


何を言い出すのだろうこの人は。



「た、滝川先輩……」

「決定権は僕にあるでしょ?」

「そ、それはそうですけど……」

「じゃあ、行こうか。」



滝川先輩は私の腕を掴んで歩き出した。




「ちょっと、先輩……」



先輩はわたしの声に耳を傾けようとしない。





「桜、ファイト。」



桃香がにやにやと、ガッツポーズをした。





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