君と僕の紙ヒコーキ
「おっ、春斗!やっと来たか。」
「遅いぞ春斗ーっ。」
同窓会が始まってもうすぐ一時間。
そろそろ皆も酔いが回ってきた頃だった。
そんな中やってきた、久しぶりの友人の顔に、皆の顔が緩む。
「ごめんごめん、ちょっと仕事が長引いちゃってさ。」
全てを許すように、優しく笑う顔は、あの頃とまったく変わってない。
そんな彼の姿に、私の頬も思わず、緩む。
「なんたって、春斗は弁護士先生だもんな。」
「お前モテるだろー?」
羨ましいぞお前、なんて、男子たちが笑った。
「まだ、弁護士になれたわけじゃないんだけどね。でも、頑張ってるよ、今。」