君と僕の紙ヒコーキ
弁護士になりたい。
かつて話した二人だけの秘密。
その夢に近づきつつあるんだ、と思うと、嬉しい反面、少しだけ寂しくもある。
もうあの頃とは違うんだって、思わずにいられないから。
高校時代の彼とはいえ、今ではもう他人なんだって、こう目の前に突きつけられたみたい。
みんなに囲まれて、嬉しそうに笑う彼から目線をそらした。
「何か、オススメのものください。」
美奈から貰ったお酒を飲み終えた私は、マスターにオススメを頼んだ。
少しして出されたカクテルは、淡い茶色をしたもの。
「アレクサンダーです。」