君と僕の紙ヒコーキ
「アレクサンダー…。」
初めて飲むカクテル。
恐るおそる口をつけてみると、チョコレートケーキを連想させるような味。
「…美味しい、これ。」
「そうでしょ、僕も好きなんですよ。」
マスターは、ちょっと得意げに、でも優しく笑った。
「次、頼むときもこれにします。」
その飲みやすさにそう言うと、
これはね、あるイギリス皇太子とデンマーク王女の結婚式で出されたと言われているものなんですよ、と笑った。
「貴方にも幸せな恋が届きますように。」
「え?」
不思議に思って聞き返すと、マスターは私の斜め後ろを見て、微笑んだ。