君と僕の紙ヒコーキ
「春くんは、彼女、いる?」
「俺も…ずっと居ないよ。」
「そっ、か。」
「うん。」
流れる沈黙。
普通なら気まずいはずなのに、彼となら、なぜか平気だった。
それから、私たちは空白の五年間を埋めるように、話した。
「そういえばさ、今日は春くんと桜の誕生日だよね。」
女子のなかの誰かが言ったそんな言葉。
その言葉を合図に、皆が誕生日ソングを歌い始めた。
そして運ばれてきたケーキ。
「桜、春斗、誕生日おめでとーっ!」
「さーさー、ロウソク消して。」