あふれるほどの愛を君に
再会
忙しい毎日が始まった。
まずはいつも通り外へ出てマーケットリサーチから。
なんてたって今回は、用意されたコンセプトは何もない。
例えば路線や、せめて価格帯だけでも提示されていればいいのに、まったくのゼロからのスタートだけに難航していた。
ターゲットの年齢層、効果や使用感、香り、主成分 ── 価格……。
それから気にせざるを得ないことが他にあって、それはもう一方のチームのプランだ。
より良い物を作りたい、ってだけじゃなく、やっぱり“勝ちたい!”って気持ちが皆の中にあった。
「遠藤と池田は市場調査、田中は直営まわり」
「「了解です」」
「渡辺と松木は開発の根本係長のとこへ行ってくれ」
「「わかりました」」
「阿久津は俺とT大学へ行くぞ!」
「はい!」