あふれるほどの愛を君に

ギューっと抱いて、拘束するように足を絡める。

後ろからのぞきこむと、少し切れ長な瞳を縁取る長い睫毛が見えて、指先で触れたくなった。

触り心地の良い髪を、ゆっくりと撫でながら聞いた。


「飲み会はどうだった?」

「そこそこ盛り上がったよ。けど…」

「けど?」

「ハルがいないから、つまんなかった」


冗談っぽく言われてるのに、思わず頬が緩む僕はやっぱり重症なのかな。


「じゃあ昨日は何してたの?」

「短大の時の友達から久しぶりにメールが来てね、それでランチしてきた」

「そっか。楽しかった?」


うん、って無邪気にうなづいた彼女が可愛くて、うなじに唇を押しあててチュウっと吸いついた。

微かに漏れ聞こえた“鳴き声”に胸が熱くなる。


腕を解き、肩を掴んで彼女を仰向けにする。そして、桜の蕾みたいな唇にそっと指先を這わせた。


僕はやっぱり相当な中毒で、重症だ。

こんなに近くにいるのに触れているのに、もっともっと近づきたくて溶け合うくらい重なりたくて、胸がいっぱいになるんだ。

鼓膜を刺激する鼓動の声は激しさを増し、どうしようもなく僕の内部を浸食していく――


「……ハル?」

「急いでシャワー浴びてくるから、待ってて」


そう告げて、勢いよく体を起こした。


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