あふれるほどの愛を君に
正午過ぎまでまったりしていたサクラさんと僕は、クラブハウスサンドが美味しい近所のカフェに遅めのランチをしに来ていた。
「その子、仲の良かったグループの中でも一番先に結婚したんだけどね」
ナチュラルメイクのサクラさんが、サンドイッチを頬張っておしゃべりをする。
そんな彼女を見つめながら、カフェオレのカップに口をつけた。
「メールにも話を聞いてほしいってあったから何かなって思ってたんだけど……旦那さんの浮気の相談だったの」
「浮気?」
ずっと相づちを打つだけで黙って話を聞いていた僕だけど、思わず聞き返した。
「浮気っていうより夜遊びっていうか、旦那さんが最近はまってるらしいのキャバクラに」
その単語に異常に反応してしまいそうになったのは、昨日、星野と会ったせいだと思う。