あふれるほどの愛を君に
待ち合わせ場所は、サトシのバイト先。
星野と会ったのは、僕の誕生日から数えて四日後のことだった。
「うわっ うっそ、ミツキじゃん! すっげー久しぶり。なになに、どうした? 俺に会いに来ちゃった!?」
星野の顔を見るなり、目を見開いて喋りまくるサトシ。ちょっとテンションが上がりすぎなくらいだ。
「そんで、なんでふたり一緒なわけ? なーなーハルちん、いいわけっ?」
興奮して前のめりになってるサトシの体を、腕を伸ばして制止した。
「話は後にして、とりあえず飲み物頼ませてよ。俺は生で……星野は?」
「わたしはウーロン茶」
星野がニッコリとすると、サトシが二カッと笑い返しスキップしながら厨房へ入って行った。
その後ろ姿を眺めながら星野に言った。
「相変わらずでしょ?」
「うん。全然変わってなくて嬉しくなるね」
瞳を細めるそんな星野もやっぱり変わってないって、僕は思った。