戸田くんと岡田さん
「あの、戸田くん」
「なに」
どきどき。
まさかね、うん、まさか。
「…戸田くんは、私を食べるんですか?」
「っ?!」
戸田くんは目を見開いた。
「…実里、その言葉どこで習ったの」
「えっ?」
「どうせ和泉でしょ。変なこと吹き込まれないように気をつけてくれる」
「…えーと、はい……?」
なんかよくわからないけど、戸田くんは私を食べはしないみたいです。
…うん、安心。
戸田くんは私の手をぎゅっと握って、夜道を歩いていく。