『リナリア』～生徒に恋した体育教師～

俺は立ち去ろうとする相川の手を握り、引き止めた。



「ちょっと待って」



「な・・なに？？」




俺の目を見ない相川に、俺は優しく言った。





「俺の目を見て。ちょっと話そ。」




「・・・・・あ、うん・・」




俺たちは車に着くまで終始沈黙のままだった。





幸い、今日車止めたところには、俺以外の車は止まっておらず、生徒がいる気配もない。





車に乗り込んでも、重い空気が漂っていた。





「あのさ・・俺の話、聞いてくれる？」




「彼女さんの話？？私なんかに話してどおなるの？」



相川・・・怒ってる？？



いつもの優しいおっとりした言い方じゃない。