『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
迷い
「そんなことないっすよ。俺は、反面教師かな・・・」
俺の気持ちを見抜いたのか、村上先生は心配そうな顔をして、俺の顔を覗き込んだ。
「どした?また何か落ち込むようなことあったの?」
「え?なんもないですよ~!ただ、いつも俺は怒ってばっかりなんで」
急いで誤魔化した。
俺、このままでいいのかな・・・・・。
信頼してくれて心配してくれてる、大切な先輩を裏切るようなことをして。
俺は、このまま自分の気持ちに正直になってていいの?
俺の気持ちの片隅で、少し、迷いが生じていた。
そんなことを考えながら、燃え盛る炎を見つめる。
ふと目に入る、大好きな人を、遠くから見つめながら。