『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
好きなのに・・・
「だな・・・それで、どうした?」
「うん。ちょっと長くなるよ?」
「おう、ちゃんと聞くよ」
いつになく、元気のない妃菜。
長くなるって・・・なんだろう。
思い浮かぶのは、斉藤のこと。
「うん、あのね。私言ってなかったけど、斉藤君に告白されたの」
やっぱり、斉藤のことか。
「え・・・あ、そうなのか・・」
知ってる、なんて言えなかった。
自分から話してくれたことが嬉しかったから。
「先生にすぐに言わなかったのはね、迷いがあったからじゃないよ?先生、最近会議とか多いみたいだったし。疲れてると思ったから。一段落して先生に余裕が出来たら話そうと思ったの」
俺のこと、ちゃんと考えくれてたんだ。
なのに、俺は、自分のことばっかりだった・・・・。
「俺の心配してくれてたんだ。ごめんな、妃菜。伝えてくれてありがと」