『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「えっと・・」
なんて言い訳していいか分からない。
「聞くつもりはなかったの。私も先生に会いたくて、探してたら・・・ちょうど二人が私の話をしてるとこだった。先生は、斉藤君に私を渡してもいいって・・そう思ってるんだよね。私だけだった・・好き過ぎて幸せ過ぎたのは。」
俺の目を見ない妃菜。
「あのさ・・・違うんだ。俺の話聞いて・・」
「なに聞くの?誤解だって?そんなんじゃないって?もう、いいよ・・・」
「妃菜・・・・」
何も、言えなかった。
誤解だって
そんなんじゃないって
言うつもりだった。
「ごめ・・・先生、私、帰るね」
そう言って妃菜は車を降りた。
「ちょ、妃菜!降りんな!一人じゃ危ないだろ!?」