『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
殴られるって思ったその時。
ポス・・・・・
先生の拳は、俺の腹に、しかも優しく当たった。
「え・・・・・?」
驚いて、先生を見る。
「まったく、ほんと、しょうがない後輩だ。世話が焼けるよね~」
「せ、先生・・・。殴らないんすか、俺のこと・・・」
村上先生の拳には、もう、全然力は入っていない。
「ん~殴ろうかとも思ったんだけど。俺さ、平和主義者じゃん?しかもイケメンの顔に傷入れたのが俺ってバレたら、女子生徒に何言われるか、わかんないし」
「なんすか・・・・それ・・・」
この人は、どこまで優しい人なんだ・・・・・・?
びっくりして、安心して、嬉しかった。
だけど、ホントに俺、許してもらっていいのか・・・・・。