『リナリア』~生徒に恋した体育教師~







「あ、そうだ。最近、新人が入ったんで、よろしくお願いしますね!」





店主さんは、そう言うと、せっせと働いている一人の女の子を指差した。




店主さんの声が聞こえたのか、その子は俺たちの方へとやって来る。






「えと、福田です!よろしくお願いします。」




「ども~、村上です~」



「あ、穂波です」



軽く挨拶を交わすと、その子はまた仕事を始めた。






明るい声と笑顔が印象的な子だった。





ツンツンツン




村上先生が、俺の腕を突きながら、小声で言った。




「なんですか?」




「あの子、けっこー可愛いじゃん。年齢も君とあんまり変わらないんじゃないの~?」






「まぁ。可愛い子ですね。で、それがどうかしました?先生・・・、あなた奥さんいるでしょ。」




鈍い俺に、村上先生はため息をついた。












< 169 / 265 >

この作品をシェア

pagetop