『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「あ、そうだ。最近、新人が入ったんで、よろしくお願いしますね!」
店主さんは、そう言うと、せっせと働いている一人の女の子を指差した。
店主さんの声が聞こえたのか、その子は俺たちの方へとやって来る。
「えと、福田です!よろしくお願いします。」
「ども~、村上です~」
「あ、穂波です」
軽く挨拶を交わすと、その子はまた仕事を始めた。
明るい声と笑顔が印象的な子だった。
ツンツンツン
村上先生が、俺の腕を突きながら、小声で言った。
「なんですか?」
「あの子、けっこー可愛いじゃん。年齢も君とあんまり変わらないんじゃないの~?」
「まぁ。可愛い子ですね。で、それがどうかしました?先生・・・、あなた奥さんいるでしょ。」
鈍い俺に、村上先生はため息をついた。