『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「そうなんですか。素敵ですね、私も今はそんな感じです。何かに没頭しておきたいというか‥‥」
何か言いたげな彼女。
「なに?何か悩みごとでもあるの??」
その態度が気になったのか、村上先生が福田さんに尋ねた。
「いえ・・・別に大したことじゃないんですよ!」
「またまた~。無理しちゃだめだよ~」
そう言って、村上先生は福田さんの肩をポンポンと優しくたたいた。
村上先生は誰にでも優しい。
だからよく勘違いをされて、告白されるってことも少なくないみたい。
「何かあったら、この人に相談するといいよ。はい、これアドレスね。」
村上先生は、財布の中からレシートを取り出し、誰かのアドレスをかきこんでいるようだ。