『リナリア』~生徒に恋した体育教師~






「まぁ~ったく。昨日マジで大変だったんだから。君がいなくなった途端、福田さんは泣いちゃうし。慰めてたら帰るの遅くなって奥さんに怒られちゃうし。もう。君のせいだよ~」




俺が帰った後、本当に大変だったらしい。






村上先生がここまで感情込めて言うなんて、そうそう無いことだから。




俺はさらに申し訳なさでいっぱいになる。







「え・・・そうだったんですか・・??それは本当に申し訳ないです。大丈夫でした?福田さん・・」






「また!俺の心配もしてよね~!?女の子の心配ばっかりして。だから色んな女の子に告白されるんだよ~?」






そんな冗談を言って村上先生は笑った。







「先生の心配は、あの美人な奥さんがしてくれるでしょっ(笑)それに俺、女の子の心配ばっかりしてないですよ~??」






「たまには良いこと言うじゃん。奥さんの事、美人って言ってくれたから許してやるよ。それでチャラ男くん。その表情からして昨日はうまくいったんだね?」




チャラ男くんって・・・・。



それにしても、村上先生はホントに奥さんのこと好きなんだなって、改めて思った。




村上夫婦は俺の理想だな。





「なに固まってるの?もしかして上手くいかなかったの??」



そんなことを考えていると、村上先生が俺の顔の前に手をブンブンと振ってきた。





< 197 / 265 >

この作品をシェア

pagetop