『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「まぁ~ったく。昨日マジで大変だったんだから。君がいなくなった途端、福田さんは泣いちゃうし。慰めてたら帰るの遅くなって奥さんに怒られちゃうし。もう。君のせいだよ~」
俺が帰った後、本当に大変だったらしい。
村上先生がここまで感情込めて言うなんて、そうそう無いことだから。
俺はさらに申し訳なさでいっぱいになる。
「え・・・そうだったんですか・・??それは本当に申し訳ないです。大丈夫でした?福田さん・・」
「また!俺の心配もしてよね~!?女の子の心配ばっかりして。だから色んな女の子に告白されるんだよ~?」
そんな冗談を言って村上先生は笑った。
「先生の心配は、あの美人な奥さんがしてくれるでしょっ(笑)それに俺、女の子の心配ばっかりしてないですよ~??」
「たまには良いこと言うじゃん。奥さんの事、美人って言ってくれたから許してやるよ。それでチャラ男くん。その表情からして昨日はうまくいったんだね?」
チャラ男くんって・・・・。
それにしても、村上先生はホントに奥さんのこと好きなんだなって、改めて思った。
村上夫婦は俺の理想だな。
「なに固まってるの?もしかして上手くいかなかったの??」
そんなことを考えていると、村上先生が俺の顔の前に手をブンブンと振ってきた。