『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「俺っすか~・・・・教えないっす」
俺も先生の真似をして、先生に背を向けた。
「ねぇねぇ。それって俺に対抗しようとしてる?
ていうか聞かなくても、顔にも背中にも書いてるから分かってるんだけどねっ!!!」
そう言って先生は俺の背中をバシッと思いっきり叩いた。
「いっっったぁ!!!!!?」
俺は驚いて、背中を抑えながら振り返った。
「そう?そんなに思いっきり叩いたつもりはなかったんだけどね?じゃ、授業行ってこよっと~」
先生は涼しい顔をして、教官室から出て行こうとしていた。
「あ」
先生が出ていく前に、俺を見た。
「ん?なんすか??」
「昨日、良かったね。繋いだ手は離しちゃいけないよ。」
そう言い残して、先生は出て行った。
「か、かっこよすぎるだろ~・・・・・・・」
俺は、携帯を取り出し、画面の中の妃菜に誓った。
「聞こえた?今の先生の言葉。お前のこと絶対、離さないからな」