『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「穂波先生も、大変だね。」
ニヤニヤしながら俺に話しかけたのは、同僚であり先輩の、村上先生。
「からかわないで下さいよ、まったく」
ふーーと、ため息。
俺は、自分で言うのも何だけど・・、行く先々の学校でよく女子生徒に告白される。
女子生徒だけでなく、時には仕事仲間だと思ってた先生にまで。
「好きです。私と付き合って、先生!」
「先生に一目ぼれしました。メールアドレス教えて下さい」
好きって言われることは、教師として嬉しいこと。
だけど、そこまで。
すべては教師として、俺は生徒に向き合っていきたい。
そう思ってるのに・・・・。
「でも若いのに珍しいよ、穂波先生は」
はい、とコーヒーを渡してくれる村上先生。
「何がっすか???」