『リナリア』~生徒に恋した体育教師~





「あ~・・んんっ!!悪い、ちょっと考え事。じゃあ、気を取り直して・・・出し物、何にしたい?」






一時間、みっちり話し合いを重ねた結果、俺たちのクラスは“写真館”を開くことになった。




衣装や小道具などを貸し出して、写真を撮り、撮った写真をその場プレゼント!!




なかなか斬新で、いいアイディアだと思う。





さすが、俺のクラスだな。






そして、その日の夜、俺は妃菜に電話をかけた。





「もしもし、今大丈夫??」



『うん、大丈夫だよ』




やっぱり声を聞くと安心するなぁ。



「なぁ、あのテーマ考えたの、妃菜なんだろ?」




俺がそう聞くと、電話越しでもすごく驚いているようだった。




『え~どうして知ってるのぉ??私はね、書いた時に隣にいた才華ちゃんに見せただけなんだよ?そしたら、まさかの採用で・・・。才華ちゃんったら、決まった瞬間にいろんな人に言いふらすんだから~』




犯人は松本だったんだ。

なんだか、その光景が目に浮かぶようだ。




「誰も妃菜が自慢してるなんて思ってないから~!俺もたまたま生徒に聞いて。俺さ、生徒会のテーマについての話し合いに参加したんだ。この中でどれがいいですか?って聞かれたから、一目ぼれしたあのテーマに一票入れたんだよ。さすが、妃菜だな。俺の好みちゃんとわかってる」





『そうだったの~!!なんだか・・照れるね///』


くくく・・・妃菜のやつ、今きっと真っ赤だ。










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