『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
そして、数日が過ぎ、いよいよ文化祭当日。
雲一つない青空で、文化祭日和だ。
俺は朝の会議のため、少し早めに学校へ向かう。
「おはようございまーす!」
体育の教師らしく、元気よく職員室へ。
慣れない職員室に普段あまり話すことのない先生たち。
俺はやっぱり、教官室が一番落ち着くな。
「あ、穂波先生、おはようございます」
声を掛けてくれたのは、まだここに来て1年経っていない新人の女の先生。
蓮見 里香(はすみ りか)先生だ。
「今日からですね。私、初めてだから緊張しちゃって。昨日あんまり寝れませんでしたぁ」
彼女の言葉に、俺も新人のころを思い出す。
「あ~、俺も新人の時は緊張しました。でも自分も生徒と一緒になって楽しめばいいと思いますよ!」
「え~、やっぱり穂波先生も緊張とかするんですかぁ??」
俺は蓮見先生に言ったはずなのに・・・なぜか隣にいた、また別の女の先生が会話に入ってきた。