『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
俺は生徒じゃない、そう言ってはっきり断ろうとした時。
「生徒じゃないのは知ってます!先生ですよね。穂波先生、結構ここら辺じゃ有名な人だから・・・。知ってて声かけたんです。ずっと好きでした」
その子はまっすぐな目で、まっすぐな言葉で俺にそう言った。
真剣に俺のこと思ってくれてるんだ・・・ってその目を見るだけでも分かった。
でも、ごめん。
答えは決まってるんだ・・・・・。
「ごめん、俺・・・」
君の気持ちには答えられない・・・・・
そう言おうとしたとき、こっちを誰から見てることに気づいた。
「ひ・・・・な」
今にも泣きそうな目をして・・俺と目があうと、妃菜はその場から走り去っていった。