『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「そっ、そんなんじゃ・・・なぁぁぁい!」
妃菜は照れたように俺をポカポカとたたいた。
「ふふふ。かわい~。」
俺は妃菜をぎゅっと引き寄せた。
「な、なに・・・近いよ・・」
見る見るうちに赤くなる妃菜。
「俺がお前以外のやつのこと見るわけないだろ?俺が好きなのはお前だけだ」
ここは学校で、俺と妃菜は先生と生徒だけど。
伝えたかった。
今、どうしても。
でも、それが大きな過ちであったことに、俺たちはまだ気づいていなかった。
「うそ・・・でしょ・・・・」
影に隠れて、俺たちのことを覗き見してる存在にも気づかずに。