『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
さよなら、大好きな人
「せんせ、だいすき・・・」
「うん、俺も」
俺たちは微笑み合い、それぞれ別の道から戻った。
そして時間はあっという間に過ぎ、いよいよ俺たちバンドの出番。
ありきたりだけど、チーム名は“オヤジバンド”。
「穂波先生、頑張ってくださいね。」
蓮見先生に声を掛けられ、俺は振り向いた。
「ありがとうございます。って何かこの格好なんで、話すの照れます(笑)」
俺は学校の制服から着替え、今度は学ランへと衣装チェンジしていた。
若く見せたいから、という単純な理由で、最年長でリーダーである数学の先生が決めた衣装。
「いえいえ、すごく似合ってます。かっこいいです。あの、明日とかお時間ありませんか?」
突然そう言われ、俺は返事に困る。
まぁでも行く気なんてサラサラない。