『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
帰りのホームルーム。
教室に入ると、いつもより少しだけ元気がないように感じた。
「じゃあ、ホームルーム始めるぞ~」
「起立~」
そう委員長が号令をかけたときだった。
「ちょっと俺の話を聞いてくれ。号令はいいから。みんな、俺の方を向いて話を聞いて」
ちょっと深刻そうな顔して言ってみた。
すると、こいつらときたら・・・
何かあったのかと、少し顔を強張らせてこちらを見ていた。
俺の態度にいちいち反応する・・・・かわいい奴らだな。
そう思いながら、俺は面白いからこの演技を続けることにした。
「お前ら・・・・さ」
「な、なんだよ・・・先生。早く言ってよ」
先頭に座っている生徒が、たまらず俺に話しかけた。