『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「・・・・・・わかった」
俺は最低だと分かっていながらも、彼女の提案を受け入れた。
すべては妃菜を無事に卒業させるために。
「ほんとですか!!」
一気に表情が明るくなる彼女に、俺は一言付け加えた。
「ただし、俺は教師を辞める。俺はあいつを理由に自分も助かろうなんて思わない。」
「え?なに言ってるんですか・・・?そ、そんなのダメに決まってるじゃないですか・・・・。とにかく、教師はやめないでください。いいですか、鍵を握っているのは私なんです。とにかく女子生徒にはちゃんと話して下さいね。じゃあ、また連絡します。幸大さん」
そう言って彼女は店を出て行ってしまった。
蓮見先生が俺の前からいなくなり、一気に力が抜ける。
「はぁ~・・・・・どうすっかな・・・・・・・」
俺はこれからどうすればいいのか、まったくわからなかった。
会いたいな・・・・・妃菜。
俺のせいで、ごめんな。
考えに考え抜いて、俺は妃菜に電話をかけた。