『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
俺は車のキーを握りしめ、車へと急いだ。
妃菜に会いに行く資格なんてない。
分かってるけど・・・・・・。
でも・・・・。
急いで駐車場へ向かっている途中、目の前に誰かが現れた。
「あ・・・・・・」
それは・・・・・・・・
「先生・・・。」
「君、今運転なんかしたら事故起こしそう。俺も今から病院行くんだ。君もだろ?」
「事故なんて・・・・わかんないっす。超動揺してます、俺・・・。もしかして迎えに来てくれたんですか?」
俺がそう言うと、村上先生はさらに真剣な表情をして言った。
「そうだな。だけど、これはある意味、君の本当の気持ちだろ?俺の車に乗ったら、相川にとっても君にとっても試練が待ち受けていることになる。それでも彼女を選ぶのか?君は彼女を守る覚悟はあるの?ないんだったら乗るな。もし、君がこれが本当の愛だと言うのなら、俺は協力する。どうする?それとも蓮見先生を選ぶ?」
妃菜と離れてみて、妃菜がどれほどまでに大切な存在かってことがよく分かった。
こんなに好きだったんだって・・・・・・。