『リナリア』~生徒に恋した体育教師~



「ごめん。俺、あいつじゃないとダメなんだ。自然体でいいんだって、ありのままの俺を見せればいいんだって・・・・教えてくれたのは、紛れもないあいつなんだ。
でも、こんな風に、相手と全力で向き合うことの大切さを改めて気づかせてくれたのは、蓮見先生。本当に感謝してる。
君がいなかったら、俺はもっと最低な男だったよ。俺の気持ち・・・伝わったかな・・・・」






「穂波先生・・・・・・・・」





蓮見先生は大粒の涙を流しながら、頷いてくれた。











「今度は私の話、聞いてね・・・」



蓮見先生はそう言って、遠くを見つめながら話し始めた。




「私は念願の教師になってまだ1年目。何もかもが新鮮でドキドキしたけど、それ以上に不安のほうが大きかったんです。緊張や不安でご飯も食べれないほどでした。でも、そんな時。穂波先生に出会ったんです。先生はとってもキラキラして見えました。かっこよくて、明るくて。私には完璧に見えました。でもそれは私だけじゃなくて、他の人も一緒だった。生徒だけじゃなくて同僚の先生方からにも慕われてた。色んな人から先生の話を聞くうちに、どんどん目で追いかけるようになって・・いつのまにか好きだって思うようになっていきました。毎日毎日、見てました。そしてこの間の文化祭で、一番見たくない光景を見てしまいました。」




あの瞬間がフラッシュバックする。


俺の軽はずみな行動で少なくとも2人の女性を傷つけたんだ・・・。








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