『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「とっても遠い存在だったあなたと、こんな風に本音で話すことができるようになるなんて。夢みたいです。ほんとに・・・幸せだった。ちょっとの時間でもいいから、あなたの世界の中に私がいたことが・・奇跡のような事でした。私はその思い出だけで十分です!」
「蓮見先生・・・」
「そ、れ、に。付き合ってみて分かったんですけどぉ。何かちょっとオヤジくさいし、どんくさいし?全然タイプじゃなかったです!私にはもっといい男がいると思うんで、穂波先生なんてこっちからお断り!って感じですね。」
「え?え?ええええええええ~・・・・・」
前半の嬉しい言葉があっという間に薄れてしまうほど、弾丸のように俺の悪口を話す蓮見先生。
「あのな~・・・悪口なら俺のいないところで話してよ・・・」
「ふふふ♪こういう事は本人に直接言ってあげたほうがいいんですよ?今後の参考にしてください♪ほ~ら、急いでるんでしょ!早く行ってください!」
そう言って、蓮見先生は俺の背中を軽く押した。
「これからはしっかり立場をわきまえて行動してくださいよ!私のようにバカな行動を起こす人だって、これから先も出るかもしれませんからね!?その時は助けてあげませんからっ!それと最後に・・・・・・ありがとう、ごめんなさい!これからは後輩として可愛がってくださいね!!」
「おう・・・・!!!ありがとう!」
いろんなこと、気づかせてくれて、ありがとう。
俺のこと好きになってくれて、ありがとう。
大切なこと教えてくれて、ありがとう。
改めて、俺はいろんな人の支えがあって、ここまでこれてるんだなって思った。
ほんとに、ほんとに、ありがとう。