『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「ふふ♪二人に気を使わせちゃったな?」
「そうだね・・せんせ。でも、先生は私なんかでいいの?だって先生には・・・」
妃菜の頭は、きっと蓮見先生のことを考えてるんだろう。
ちゃんと話さなきゃな。
「うん。蓮見先生とはちゃんと話してきたよ。実は、文化祭の日に二人だけで逢っただろ?それを見られてて。黙っていることを条件に、付き合ってくれって言われたんだ。あの時は、お前の気持ち考えずに・・ただお前を卒業させることが第一だと考えた俺は、蓮見先生のいう事を承諾したんだ。」
「そんな・・・・・」
「これだけ聞いたら、きっとお前は蓮見先生のこと誤解するよな。確かに、彼女のしたことは正しいことじゃない。だけど、彼女は彼女なりに悩んでくれてた。ごめんなさいって謝ってくれたんだ。
・・・・俺が悪いのに。俺は彼女と向き合って、人の立場で物事考える事との大切さを学んだんだ。そして、妃菜がどれほどまでに大切な人なのかも改めて気づけた。その代り・・妃菜と蓮見先生を傷つけてしまう事になってしまったけど・・・。ごめんな、妃菜。」
妃菜は両手で俺の頬に優しく触れた。
「謝らなくていいよ、先生。私のことを思ってとった行動なんだよね。それに、その顔見ると蓮見先生とも分かり合えたみたいだね。良かった・・・。私はたとえ遠回りしたとしても、先生が私のそばに戻ってきてくた事が嬉しいよ?」
「妃菜・・・・・・・」
「大好き、先生。」
「俺も・・・・・・・・・・・」
確かに・・・たくさん遠回りしちゃったな。
だけど、俺はお前じゃないとダメだから。
何度だって、たとえ嫌がれたって、お前のもとに・・・お前のそばにいくからな。
大好き、幸せ、愛してる。
妃菜・・・・・・。