『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
★…最終章…★
~リナリア~
あれから一年が経った。
今年もきれいな桜が咲き始めている。
「おはよ~」
俺は、校門で生徒たちが登校するのを待っていた。
「今日はまさしく絶好の卒業式日和だね~」
村上先生が、青く澄んだ空を見上げながらそう言った。
「そう・・・・ですね!」
俺も空を見上げた。
そう、今日は卒業式。
俺の愛する生徒でもあり、彼女でもある、相川妃菜が卒業する日。
ついに来たんだな・・・・この日が。
その時、ふわっと優しい風が吹き、桜が舞い散った。
「うわ~、風情ですな~」
「ほんと、卒業式に桜が咲いてくれてよかったですよ。まるで生徒たちを祝福してくれてるみたいですもんね」
そう言って俺も桜へと視線を移した。