『リナリア』~生徒に恋した体育教師~




ホームルームも終わりみんなが帰り始めた頃、俺は後ろから「先生!」と呼ばれ振り返った。




「斉藤・・・・」



斉藤とは、いろいろあった。



妃菜のこと相談されてたけど、結局打ち明けずじまいだったな・・・。



本当のこと、言わないとな。




「どした?斉藤」



「先生、ちょっと・・いい?コーヒーおごるよ」







「なにかっちょいーこと言ってんだよっ。まだ卒業して数分のくせに(笑)今日は俺が好きなジュース奢ってやるよ。他のやつらには内緒な?」



「まじでっ!やった~!じゃあ、一番高いの~」



そう言ってはしゃぐ斉藤は、見た目は大人っぽいけど中身はまだまだ子どもなんだなと思う。



「お前はガキだな~(笑)」



俺たちは、あの日話したベンチに座った。




「斉藤、実は俺も話があるんだ」




「なになに?・・・・すっごい気になるけど、俺から話していい?」



「え?もちろんだよ。斉藤の話しって?」




斉藤は持っていた缶ジュースを一気に飲み干した。









< 257 / 265 >

この作品をシェア

pagetop