『リナリア』~生徒に恋した体育教師~






「ほんとは黙ってようかとも思ったんだけど、悔しいから伝えて卒業してやろうと思ってね(笑)
でも、今は全然辛くねーよ!俺、彼女出来たから!ずっと好きでいてくれたんだって、俺のこと。誰かのこと、追いかけるのも大切な恋だけど。思ってくれてる人を大切にするのも大切な恋だってことに気づけたから。だから、先生が負い目を感じることないから。相川さんのこと、幸せにしてあげて。」





「斉藤、ありがとな。お前のおかげで、俺も自分の気持ちに気づけたよ。確かに愛にもいろんな形がある。どれが正解ってものはない。俺は・・・・・あいつに出会えて本当に良かったと思ってる。そしてお前にもな!!大好きだ~さいとぉぉ~~~」







「ちょっ、やめろって!抱き着くなぁぁ~!!」




斉藤は笑顔で俺にエールをくれた。


さっき、子どもって言ったの・・・撤回するよ。


見た目よりもずっとずっと大人でかっこいい人間だ。



ありがとな、ほんとに。






これでまた一つ、俺たちは成長することが出来た。

そうだろ、妃菜?


俺たちはいろんな人たちの、後押しだったり・・・支えがあって、ここまでこれたんだ。




時には、傷つけてしまったりしたこともあったけど。




その分俺たちは幸せにならないとダメだよな。



いや・・・・・二人でいられれば、それが“幸せ”なんだ。









< 259 / 265 >

この作品をシェア

pagetop