『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「荷物は俺が持ってんだから、相川は早く歩きなさい」
ごまかすように相川に言う。
ホントは、体育館に戻って他の荷物持ってきてもいいよ、とも言えたんだ。
だけどな、
相川のやつ・・・・俺になんの疑いも持たないで、俺の隣をちょこちょこ歩くんだ。
もう少しだけ、もう少しだけでいいから・・・・。
二人でいさせてくんねぇかな、神様・・・・。
「せんせ、力持ちだね。私の100倍くらいありそうっ」
なんて笑顔で言うこいつの顔を、もう少し近くで見たいんだ。