『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「あるにはあるけど・・・。よく分かんなくてさ。」
う~ん、と考え出す斉藤。
「は?どういう意味だ?」
「それが、友達にはこう言ってたらしくて。“私のピンチをいつも救ってくれるヒーローが好き”って・・・・。ね?意味わかんなくない?」
斉藤の言葉に、胸がまたドクンといった。
“私のピンチをいつも救ってくれるヒーロー”
それって・・・・・。
いや、違うよな、きっと。
たった2回助けた?だけだし。
否定しながらも、俺なんじゃないかって・・・期待してまう、俺がいる・・。
「あ・・・・それはちょっと、わかんないな。ドラマの主人公かなんかじゃないの?」
もはや、俺の頭のなかは斉藤のことなんか考えられなくなっていた。
ごめんな、斉藤・・・。