『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「せんせ!最後、シュート!」
斉藤にそう言われ、俺はゴールに向かってシュートした。
3Pより、かなり後ろ居たけど・・全身の力を振り絞り、シュートした結果、タイマーのビーーーという音と同時にシュートすることが出来た。
体育のゲームとはいえ久しぶりのブザービートに、ちょっと快感。
・・・・じゃなくて!相川だよ、相川!!
生徒に囲まれていたが、その中をなんとか抜け出して相川のもとに向かう。
「相川・・・お前、大丈夫か・・?」
俺がそう声を掛けると、相川は顔を上げた。
「おい!相川!!」
その顔を見て、すぐに体調が悪いんだと気づく。
「お前、顔真っ青だぞ!」
「せんせ・・・・・い」
相川は少しだけ微笑むと、そのまま倒れてしまった。
「相川ぁぁぁっ!!?」
俺の声に気づき、生徒たちが集まってくる。
「先生!妃菜どうしたの!!!!」
「きっと、脱水症状を起こしたんだ。だからあれほど・・・。
お前たち、授業が終わるまでこのままバスケやっててくれ。教官室に村上先生がいるから、呼んできて、授業見てもらって。俺、こいつを保健室に連れてくよ。頼んだぞ、委員長」
「わ、分かりました!」
俺はまた、相川を抱きあげ、保健室へと向かった。
こいつ・・・何回俺に心配かければ気が済むんだよ・・・・。