『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
あいつの気持ち
「先生、すいません。こいつ脱水症状を起こしたみたいで・・・」
保健室に着き、保健の安部先生に状況を説明する。
「あらあら・・!大変!そこベッドに寝かせてもらえますか?」
「はい・・」
安部先生の指示を仰ぎ、言われてたことを行った。
「先生。」
すると、安部先生から声を掛けられ、俺は振り返った。
「なんですか?」
「そんなに心配そうな顔しなくても、大丈夫ですよ。様子を見たら、そんなに症状も重くないし。きっと先生が早く気づいてあげたからですよ。だから、落ち着いて、そばにいてあげて下さい?」
そう言って安部先生は微笑んだ。
まるで、俺の気持ちをさとしているみたいに・・・。
「あ・・・そうですよね。あははは、俺、ちょっとびっくりしちゃって。ありがとうございます」
「いいえ」
今だけ、俺はこいつのそばに居てもいいんだ・・・。
そう思うと嬉しかった。