『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「せんせ・・・?」
驚いたような表情をみせる相川に、俺は優しく語りかける。
「何言ってんだよ・・相川。困るわけないだろ?俺の大切な生徒が怖い思いをするなんて・・・そんなこと俺がさせない。もう少し俺と一緒にいて、相川。今日は俺が家まで送っていくから・・・・」
「せんせいいいい・・・・ありがと・・・」
相川は目に涙を浮かべて微笑んだ。
ダメだ、やっぱり好きな気持ちを抑えることなんて出来ない。
俺は、こいつの笑顔が好きだ。
声が好きだ。
サラサラな髪の毛も、透き通るような肌も、
俺にとって、きっとこいつは理想の人。
「泣くなよ~。お母さんに、電話しに行って来い。もう迎えはいらないよって。俺は教官室にいるからさ」
「うん!ほんとありがと・・・」
そう言って相川は、電話をかけに体育館を出て行った。