『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
俺が車を運転していると、相川は何かを見つけたのか、足元のほうに手をやっていた。
「ん?なにやってんの?」
「なんか、落ちてるよぉ~せんせ」
一生懸命に手を伸ばす相川。
「ごみかなんかじゃない?後から拾っとくから、お前は拾わなくていいよ。手が汚れちまうぞ」
言うことを聞かない相川。
このとき、相川が俺の言うことを聞いて拾わなかったらよかったのに・・
そう思っても、もう遅かった。
「違うみたいだよ~・・・?あっ取れた!」
俺は、そう言ってぱっと顔を上げる相川を横目で見る。
そして、その拾ったものを見て・・二人で固まる。
「あ・・・・・・」
相川が拾ったもの。・・・それは、“指輪”だった。