『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
相川の家に着くと、お母さんが玄関先で待っていた。
「まぁ、あなたが穂波先生なんですね!!娘からよく話はうかがってます!今日はわざわざおくって頂いてありがとうございます」
お母さんの言葉に、「もう、お母さん!」と軽く肩をたたく相川。
俺も緊張しながらの挨拶・・・。
「あ、遅くなりまして、申し訳ございません。はい、穂波といいます、相川さんの体育の授業を担当させてもらってます」
「まぁ。そうなんですか!噂通り、ほんとうにカッコいいですね。お腹すいてないですか?ごはんでも食べていきません?」
想像以上のお母さんの優しい対応に、さっきのことは忘れそうになるほど嬉しくなる。
つい、お言葉に甘えてって言ってしまいそうになった。
でも・・・一人だけ、それを許してくれない人がいた。
「もうお母さん!先生迷惑だよ!疲れてるんだから、あんまり引き止めたらかわいそうだよ。」
相川がそう言うと、お母さんも「そうねぇ・・・」と納得していた。