『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「先生、送ってくれて本当にありがとうございました。気を付けて帰ってね」
相川がそう言うもんだから、
「おう・・・じゃあまた学校でな」
と言うしかなかった。
帰り際、俺は今までしたことのないような後悔に苛まれた。
「あ~~・・・俺ってほんとバカ。バカ以外のなんでもねぇよ・・」
ちゃんと捨てなかった俺が悪かったんだけど・・。
俺は今では輝きを失ってしまった指輪を見つめた。
この指輪は、確かに、何でもない訳ではない。
遡ること・・・およそ4年前。
俺は今の学校に赴任してきた当初、彼女がいた。