『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「欲しいなら、あげるよ。この指輪も、君に貰って欲しいみたいだから・・」
俺がそういうと、女の子は「いいのぉ??!」と、もっと目をキラキラと輝かせる。
その喜んだ顔はまるで・・・相川のようにかわいい表情をしていた。
「もちろん。おじちゃんも、君が貰ってくれるとうれしいよ」
そう言って、俺はその子に指輪を渡す。
「ありがとう!!!!おじちゃん!!」
女の子は、元気よくお礼を言って、母親のもとに帰って行った。
「おじちゃん・・・ね」
母親とも目が合い、お互いにお辞儀をする。
女の子にはめられた指輪はとてもキラキラしていて、嬉しそうに見えた。
もう一度、俺はあの指輪に、そして俺の過去に、サヨナラを言った。
そして改めて思う。
俺が好きなのは、相川妃菜なんだって。