『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
入学式の日に
入学式。
この前あったばかりの、中学の制服を着た生徒たちが、今日からはここの制服に身をつつみ登校してくる。
迎える側の教師としてもドキドキする一日だ。
楽しい一年になればいいけど。
そう思いながらも、俺は校門で生徒たちに声をかける。
そして俺にとっても、緊張の一年となるだろう。
だって、俺、1年C組の担任になったから。
ある程度、生徒たちを出向かえ、今度は体育館の隣にある一室へと移動する。
体育館に入る前に、新入生が待機する場所だ。
ガラッと扉を開け、中へと入る。
「おぉ、穂波先生。」
入った瞬間、俺に声をかけたのは、隣のBクラスの担任、村上先生。
村上先生と同じ学年なんて、すごい心強い。
「おはようございます。ドキドキですね」
「まぁね。ドキドキだね。でも、この子たちのほうがもっとドキドキしてると思うよ」
そう言われて、俺は生徒たちを見渡す。