『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
せっかく気合い入れてきたのに、全然ダメ。
俺のところによっても来てくれない。
俺はやっとのことで生徒たちから抜け出し、教官室へ向かった。
「おっ!朝からなんの騒ぎかと思ったら・・犯人は君だったんだね、穂波先生♪」
楽しそうな顔をして、村上先生はコーヒーを飲んでいた。
「村上先生・・・」
はぁ~とため息をつきながら席に座る。
はっ・・・いかんいかん。
昨日慰めてもらったばかりなのに、今日もこんな顔してたらいけないよな。
そう、今日はまだ、始まったばかり。
「今日は何だか目覚めがよくて!昨日先生と久しぶりに酒が呑めたからだと思います。昨日はありがとうございました」
俺は吐いたため息をもう一度吸い込み、村上先生に笑顔でお礼を言った。
「はははは・・それはそれはお役にたてて光栄です。はいコーヒー」
村上先生は笑いながら、俺にコーヒーを差し出してくれた。
村上先生の入れてくれるコーヒーは、格別。