『リナリア』~生徒に恋した体育教師~
「ありがとうございます!」
「いいえ。それで今日は、気合いを入れてスーツってわけね(笑)今日もしかして、さっそくアタックしに行くの?君は本当にわかりやすい人間だね」
村上先生にそう言われ、急激に恥ずかしくなった。
自分の分かりやすさに、改めて驚く。
「俺はいつだってストレートですから!」
俺は分かりやすいけど、それだけ真っ直ぐにしかぶつかっていけないんだ。
何事にも。
だから、落ち込む日はとことん落ち込むし、喜ぶ日はとことん喜ぶ。
それが、俺だから。
「それが君の良いところだよね。まぁ、時には短所でもあるんだけど。真っ直ぐぶつかっていくの事はすごく大切だけど、時には考えて回り道することも必要になってくるからね。それだけは忘れないように」
「はい、ありがとうございます」
村上先生の言葉にはいつも助けられる。
俺の足りないところ、足りない言葉を補ってくれる。
俺はこんな人と結婚したい、なんて思う。